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懸垂(チンニング)への挑戦
大学卒業後、10数年ぶりにトレーニングを開始して1年が経ったある時、ランニングしていると鉄棒が目に入ってきた。吸い寄せられるように鉄棒に近づき、なんとなく鉄棒にぶら下がって懸垂を行おうとした。
懸垂を行う機会は学生時代は体力測定の時にあったぐらいで、社会人になってからは全くなかった。
10数年ぶりにやってみた・・・。
が、全然できない。全然体を上に引き上げることができない。
まさか、1回もできないとは・・・。
そこで、懸垂のやり方をググってみたところ、チンニングという見慣れない横文字が目についた。
懸垂はチンニングともいわれるそうだ。「バーの位置まで顎をあげる」という意味の英語「chin up」から呼ばれるようになったらしい。
懸垂に対するイメージが、学生時代の体力測定の一種目から、突然、アスリートのトレーニング種目になった。
これは是非とも懸垂をできるようになりたいと挑戦を始め、およそ3か月後に1回できるようになりました。
懸垂のやり方や難しさ、懸垂ができるようになるまでに実際に行ったトレーニングを紹介します。
懸垂について
やり方
ここでいう懸垂のやり方はつぎの動作です。
- 肩幅より拳1から2個分広くバーを順手で握る。
- 肘をしっかり伸ばしてバーにぶら下がる。
- 反動を使わずに、顎がバーの上にくるまで体を持ち上げる。
- 肘はしっかり伸ばした状態まで体を下ろす。
なお、一口に懸垂といっても、サムレスグリップというバーの握り方があったり、握る幅でワイドグリップ、ナローグリップと分類したり、また、自衛隊式懸垂や消防官式懸垂と呼ばれる方法があったりと、さまざまなやり方があるようですので、興味のある方は検索してみてください。
『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)を始めとしたテレビ、雑誌等多くのメディアで活躍している骨格筋評論家「バズーカ岡田」さんがベンチプレスのフォームを解説している動画があります。
参考として紹介します。
【背中トレ】絶対に背中をデカくするチンニングのやり方【筋トレ】
世の中の人の平均回数
一般的に懸垂はどれくらいできるものなのか調べてみましたが、エビデンスのある信頼できるデータは見つかりませんでした。
懸垂の難易度
平均回数のデータは見つけられなかったので、自衛隊の体力検定の内容とスポーツテストの動向から難易度を考えてみました。
自衛隊の体力検定の内容
防衛省 情報検索サービスで航空自衛官の体力測定実施基準が公開されていたので、男性自衛官の懸垂回数と得点を表にまとめました。
回数 | 得点 |
---|---|
26 | 100 |
20 | 80 |
15 | 64 |
10 | 47 |
5 | 30 |
3 | 20 |
最高得点は26回、最低得点は3回です。3回できれば得点をもらえます。
ちなみに、女性自衛官の種目に懸垂はなく、斜め懸垂があるだけでした。
スポーツテストの動向
文部科学省では、昭和39年以来、「体力・運動能力調査」を実施しており、懸垂は平成9年までテスト項目でした。しかし、平成10年以降はテスト項目を見直した新体力テストに変わり、懸垂はテスト項目からなくなりました。
統計データについて、平成10年以降があるのみで、それより前のものは残念ながらみつけられませんでした。
なお、新スポーツテストは、平成27年10月から文部科学省の外局として設置されたスポーツ庁が管轄しています。
考察
女性自衛官の体力検定やスポーツテストの項目で懸垂がないことから、懸垂は女性やトレーニングをしていない人には難しいと考えられます。
男性自衛官でも3回できれば得点をもらえることから、多くの回数は簡単にできません。
懸垂ができなくても、また、懸垂が1回もできない状態から出来るようになるまで時間がかかっても、自分だけではなくみんなが難しいことだと分かれば、少しは気が楽になりませんか?
懸垂を挑戦したときの運動能力
懸垂を挑戦したときの私の運動能力はつぎのようなものです。
- 大学時代は部活をしていたが、社会人になってからおよそ十数年間は定期的な運動はしていなかった。
- 3か月前からトレッドミル、スミスマシンベンチプレス、ダンベルカール、腹筋を週1回程度行っていた。
- スミスマシンベンチプレスの負荷:47kg、 8rレップ
- ダンベルカールの負荷:9kg、8から10レップ
行ったトレーニングの内容について
ぶら下がり
まずは、鉄棒にぶら下がることから始めました。ただ、ただ、ぶら下がるだけです。
しかし、長い時間ぶら下がることは難しいです。
できるだけ長い時間ぶら下がることを、1カ月間、最低週1回行いました。
ネガティブ懸垂
1カ月も行うとぶら下がりもなれ、次の方法を試すことにしました。
体を引きつけるときはジャンプしたりして、体をバーの上に持ち上げた状態からゆっくり下ろす、ネガティブ懸垂を行いました。
レップ数は、できる回数から決めて、数回程度を3セット行いました。
ネガティブ懸垂を1カ月間、最低週1回行いました。
肘を曲げた状態からの懸垂
ネガティブ懸垂になれたころから、体を持ち上げられる、ぎりぎりのところまで肘を伸ばした状態でバーにぶら下がり、体を持ち上げることを行いました。
レップ数は、できる回数から決めて、数回程度を3セット行いました。
これも1カ月間、最低週1回行いました。
懸垂
挑戦してからおよそ3カ月の期間を経過した時に、1回だけ懸垂ができるようになりました。
なお、3か月の間、トレッドミル、スミスベンチプレス、腹筋、ダンベルカールも最低週1回行いました。
懸垂ができたときは、スミスベンチプレスの負荷は60kg、ダンベルカールは12kgになっていました。
体重を落とすことも考えよう
そのため、体重に応じて筋力が必要になります。
トレーニングに加えて、体重を落とすことも効果的です。
私はレコーディングダイエットは、72kgから73kgあった体重を、1ヵ月で69kgまで2~3kg落とし、3ヵ月で67kgまで5kg程度落とすことができました。
学んだことや実践した結果をつぎのリンク先で紹介します。
まとめ
懸垂ができるようになるための練習方法をググってみたところ、斜め懸垂や補助を使った懸垂、ネガティブ懸垂、逆手懸垂など、徐々に大きな負荷のトレーニングを行うことが大事だと分かりました。
ネットで調べた情報からいろいろなトレーニング方法を学ぶことができましたが、どの程度の運動能力の人が、どのようなトレーニングを、どれほどの期間行って、懸垂ができるようになるのか分かりませんでした。
もしかしたら、懸垂ができるようになるまでの期間について、3カ月は短い方かもしれません。
しかし、3か月でもいつになったら懸垂ができるようになるのかと不安になりました。
思い返してみれば、学生時代の体力測定でも、順手でしっかり肘を伸ばした状態から反動を使わない懸垂は1回できたかあやしいかったです。
今は、学生時代の若さもない。そう思うと、できなる気がしなくなりました。
もっと具体的な情報があれば心強いのにと何度も思いました。
今回は、私ができるようになるまでに実施したトレーニングを書きました。
できるようになると信じてトレーニングを継続することが大事だと思います。
理想の体型を求める方や、消防官(消防士)採用試験の体力テストを受ける方など、懸垂に挑戦しているみなさんの参考になればと思います。